オーストラリア政府「景気刺激策」
オーストラリアの課題
2009年、オーストラリア国民が直面する世界の経済状況はわずか一年前に比べ一変した。現在、世界は第二次世界大戦以降、最悪の経済危機に直面しており、米国、英国、日本、ユーロ圏は景気後退に陥っている。
国際通貨基金(IMF)は、先進国の経済は2009年に全体で3%のマイナス成長を記録すると予測しており、経済成長率は主要な新興国においても著しく減速している。
これらの要因によりオーストラリアの資源ブームは急速に冷え込み、オーストラリアの政府歳入や経済、雇用に大きな影響を及ぼす結果となった。
世界同時不況により、連邦政府予算は景気対策が講じられる前に赤字に転落した。しかし、歳入の減少や景気刺激策の実行を考慮に入れても、政府予算は世界各国と比較して依然健全な状態にある。
世界同時不況は当然のことながら、わが国の日常生活に影響を及ぼし始めている。オーストラリアの各家庭では家族会議が開かれ、家計をどのようにやり繰りしていくべきか話し合いがなされるようになった。国内経済を強化し、オーストラリアの家庭を守り、雇用を支えるという課題に対処していくためには、今まさに断固たる行動が取られなければならない。
オーストラリア政府の解決策
一時的な財政赤字は、雇用を支え経済を成長させる上で責任ある唯一の行動といえる。この目的を達成するため、オーストラリア政府は420億豪ドルの「国造り - 経済刺激策」を実行し、雇用の確保を図ると共に、今後の長期的な経済成長に向けた投資を行う。
IMFはオーストラリア経済をてこ入れするこの取り組みを支持しており、このような状況下では財政赤字を受け入れる必要があると助言している。
「国造り - 経済刺激策」により経済成長が促され、2008 - 09年度のGDPは約0.5%増に、また2009 - 10年度のGDPは約0.75~1%増になると予測される。
オーストラリア政府による実施策
オーストラリア政府は経済刺激策として、全国の地域に長期的な利益をもたらすプロジェクトへの資金提供を検討している。
また、このようなプロジェクトに拠出することは、地域のインフラ整備や雇用の確保にもつながる。
オーストラリア政府は、景気刺激策として以下の分野に資金を提供していく。
- 図書館や多目的ホール、教室を21世紀に合わせて近代化するべく、改修工事を国内の全小学校にて実現
- 中高等学校(500校)における実験室あるいはランゲージ・センターの新設
- 各学校が必要とする管理・修繕費用として最大20万ドルの助成金を提供
- 約270万世帯を対象とした天井裏断熱材の設置
- ソーラー給湯システム設置に対する助成金の増加
- 2万戸の公営住宅の新設
- オーストラリア国防軍に対する802戸の住宅の新設
- 約2500戸の未使用公営住宅における緊急補修工事
- 特定資産を購入する中小一般企業を対象とした30%の追加減税
- のべ350にわたる交通危険予防プログラム(ブラック・スポット・プログラム)の拡大
- 危険度の高い約200の踏切における遮断機の設置
- 地域コミュニティーのインフラ整備や国道の保守点検に対する6億5000万豪ドルの拠出
- 家族世帯や未婚就業者、学生、旱魃被害を受けた農家等を対象とした各種一時給付金の提供
- 2007 - 08年度の収入が10万豪ドル未満で、納税済みの国民を対象とした最大900ドルの還付金給付
英語版
「Nation Building - Economic Stimulus Plan」の 英語版はこちら からご覧下さい。