オーストラリア大使館東京

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捕鯨問題FAQ

オーストラリアの捕鯨に関する政策はどのようなものですか?

オーストラリアはあらゆる商業捕鯨や、致死的ないわゆる調査捕鯨に強く反対しています。クジラの捕殺を正当化するような信頼し得る科学的理由は存在しないと、オーストラリアは強く信じています。

オーストラリア政府は、商業捕鯨やいわゆる調査捕鯨の中止に向けた活動を積極的に行っています。国際社会は日本やノルウェー、アイスランドを含むあらゆる捕鯨国に捕鯨を中止させる努力を行っていますが、これにおいてオーストラリアは建設的な役割を果たしています。オーストラリアと日本は共に国際捕鯨委員会(IWC) の将来について話し合う小作業部会の参加国であり、ここではIWCが直面している主要問題を合意の上で解決する努力が行われています。IWCが海洋ガバナンスにおいて現代的基準を採用し、クジラの保護に向けた国際的努力において中心的役割を果たすような改革がなされるようオーストラリアは望んでいます。捕鯨の将来に関する交渉で、わが国のクジラ保護に関する検討議題に進展が見られるよう、オーストラリア政府はIWCに新提案を提出しました。
http://www.environment.gov.au/coasts/species/cetaceans/pubs/australian-proposal-whaling.pdf

クジラへの理解をより促進する上で、遺伝子・分子レベルの技術や衛星用タグ、超音波調査、航空調査といった現代的かつ非致死的な調査方法の採用は可能であると、オーストラリアは信じています。オーストラリアはこうした重要な研究を行うために、南極海研究パートナーシップを主導しています。これは5年間にわたる国際協力研究プログラムであり、IWC加盟の12ヶ国が参加しています。オーストラリアは日本を含めた他国にも、このパートナーシップへの参加を呼びかけています。

オーストラリアの調査提案にご関心のある方は、以下の項目をご参照下さい。

シーシェパードのような集団による過激な抗議活動を、オーストラリアは支持していますか?

いいえ。オーストラリアは平和的な抗議を行う権利は認めますが、過激な抗議活動は支持しません。我々は公海における違法な、あるいは誰かを負傷させる可能性のあるいかなる抗議活動も支持しません。オーストラリア政府は違法な、危険あるいは過激な活動を強く非難すると共に、南極海で活動するすべての関係者に、海における生命の安全という最重要原則や海上活動に関するすべての法および協定を尊重し、これを実行するよう要請します。シーシェパードが行うような危険で対立的なやり方は、全くふさわしくありません。これは捕鯨における相違を解決するものでも、恒久的な解決策につながるものでもありません。

シーシェパードはオーストラリアではなく、アメリカを拠点とする組織です。本組織が有するスティーブ・アーウィン号の船籍はオランダに置かれており、船長はカナダ人です。また別の船舶ボブ・バーカー号もわが国に船籍は置かれておらず、以前使用されていたアディ・ギル号の船籍国はニュージーランドでした。

スティーブン・スミス豪州政府外務大臣は2009年12月、オランダ及びニュージーランドの外相と共に共同で声明を発表し、南極海で活動を行うすべての者に対して責任あるふるまいを強く呼びかけました。本声明の全文については、以下のウェブサイトをご参照下さい。
http://www.foreignminister.gov.au/releases/2009/fa-s091207.html

2010年1月6日の日本の捕鯨船とシーシェパード抗議船の衝突に対する、オーストラリアの対応はどのようなものですか?

オーストラリア政府は捕鯨に強く反対する一方で、海洋における暴力行為にも断固として反対します。

オーストラリア海上安全庁(AMSA)は、2010年1月6日に南極海で起きたシーシェパードのアディ・ギル号と日本の捕鯨船第2昭南丸との衝突に関する調査報告書をまとめました。両船舶共に、AMSAに対し情報を提供する機会が与えられました。提出された証拠の再検証からは確固たる結論が出ませんでしたが、調査により、衝突事故がオーストラリアの領海外で発生し、本件にオーストラリア船籍の船舶は関与していなかった点が確認されました。このような事故については、両船舶の船籍国であるニュージーランドおよび日本の専属管轄権に属します。

南極海は遠く離れた荒涼とした海域であり、事故発生の可能性が高い一方、救援及び救助の余地は限られています。オーストラリア政府は、全関係者に対し、海洋上の安全確保を最優先事項とするよう繰り返し求めています。

オーストラリアは、どうしてスティーブ・アーウィン号による燃料補給のための寄港を認めているのですか?

スティーブ・アーウィン号を含め、すべての船はオーストラリアの国内法に基づき国内の港を使用できます。ジュリア・ギラード副首相は2009年1月8日、政府がスティーブ・アーウィン号による国内への寄港を拒否できる国内法は存在しないため、その入港を認めると公式に発言しました。

オーストラリアは反捕鯨活動において、日本にばかり注目しているのですか?

オーストラリアは日本やアイスランド、ノルウェーによるものを含め、あらゆる商業捕鯨や致死的な「調査」捕鯨に反対しています。

オーストラリアが日本の活動に懸念を持つのは、日本が世界最大規模の捕鯨活動を行っているためです。日本は近年クジラの捕獲目標数を増やしており、クジラの捕獲を「調査」捕鯨と呼んで誤解を与えています。

ミンククジラのようなクジラ種の生息数が増えているのに、どうしてオーストラリアは捕鯨に引き続き反対するのですか?

現在南極海におけるミンククジラの数について、国際的合意はありません。国際捕鯨委員会による個体数調査では、南極海においてミンククジラの数が著しく減少しているのを示す結果が出ました。これが実際の個体数の激減によるものなのか、あるいは調査方法の変更や海氷の変化によるものなのかは不明です。しかし日本は現在の南極海調査プログラムで、南半球におけるミンククジラの捕獲目標数を1987年の約300頭から935頭へと増加させています。

ナガスクジラやマッコウクジラ、ザトウクジラなど捕鯨国が捕獲対象としている他のクジラ種の多くは絶滅危惧種か、絶滅の恐れのある種と判断されています。

絶滅危惧種であるかどうかに関係なく、クジラの捕獲を正当化するような信頼に足る科学的理由は存在しません。クジラを捕殺しないで生物学や個体数、管理に関係するデータを集める調査方法はあります。したがって日本の致死的な調査プログラムは不要です。そしてクジラを殺す方法はしばしば非人道的です。すべての商業捕鯨や「調査」捕鯨はクジラの種類に関係なく中止されるべきであると、オーストラリアは強く信じています。

日本がザトウクジラの捕獲予定の延期を発表しても、オーストラリアが日本の捕鯨プログラムに反対するのはどうしてですか?

オーストラリア政府は、日本が今シーズン、ザトウクジラの捕獲を行わない決定をしたのを歓迎します。しかしオーストラリアはすべてのクジラの捕殺に反対すると共に、日本の致死的な「調査」 捕鯨プログラムには根本的に反対しています。

どうしてオーストラリアはカンガルーを殺すのを受け入れているのに、捕鯨には反対なのですか?

オーストラリアには実に様々な種類のカンガルーが存在しています。狩猟の対象となり得るのは、大量に繁殖した種類のみです。絶滅危惧種か、絶滅の恐れのある種のカンガルーを殺すのは違法です。これに対し日本の致死的な調査捕鯨プログラムは、絶滅危惧種や繁殖の度合が不確かなクジラ種を対象にしています。

カンガルーのような地上に生息する哺乳類の正確な個体数は、航空または地上調査を通じて容易に推測できます。これに対し、南極海に生息するクジラの数を知ることは極めて困難です。

カンガルーの狩猟は厳格に監視され、可能な限り苦痛を与えない方法で行われています。オーストラリアには、カンガルーが苦しむ危険を最小限に抑えるための「カンガルーの狩猟を人道的に行うための行動規定」が存在します。これに対し捕鯨国での報道によると、捕鯨により殺されたクジラの多くが即死ではありません。

どうしてオーストラリアは、日本文化の伝統である捕鯨に介入するのですか?

オーストラリアは日本の文化と伝統を尊重しています。オーストラリアを含む多くの国は前世紀まで捕鯨を行っており、油や骨、鯨肉などあらゆる生産物が様々な目的で使用されていました。しかしほぼすべての国が、現在は捕鯨プログラムを行っていません。これは今やこうした国々は、上記の生産物を得るためにクジラを殺す必要はないためです。また多くの種類のクジラが現在は絶滅危惧種か、絶滅の恐れのある種となっており、同時にクジラを殺す方法が非人道的であるためです。

最近のNGOの調査によると日本で鯨肉の人気は落ちており、人気のない鯨肉の在庫が積み上がっています。鯨肉はもはや日本の食生活に欠かせないものではなく、日本で食料のためにクジラを捕獲して殺すほどの必要性はないと考えられます。さらに殺さずにクジラの科学的調査を行うのは今や可能です。

クジラが食べるために魚の数に深刻な影響が出ているのですか?クジラを捕獲すれば獲れる魚の量が増えますか?

クジラが魚の漁獲量に影響を与えているのを示す証拠は全くありません。漁獲量減少の一番の世界的な原因は乱獲です。クジラが魚の個体数減少の原因であるとは言えません。クジラを殺せば魚の漁獲量が増えるというのは、商業捕鯨への支持を集めるために誤った考えに人々を導く試みであると、オーストラリアは捉えています。