オーストラリア大使館東京

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スピーチ・ステートメント・メディアインタビュー

オーストラリアの外交政策について

ケビン・ラッド首相、「ニュースアワー」ジム・ミドルトン氏とのインタビュー(一部抜粋)

2008年2月22日
スピーチ DFAT_20080222

温室効果ガスの排出削減

ミドルトン: 排出権取引に詳しいロス・ガーノー氏が中間報告を提出することになっています。彼はここでオーストラリアの中期的目標を勧告しても、それ以降については中国やインドの様子を見てから決めるのではないかと言われていますが、このアプローチには賛成ですか?

首相: 昨年の半ば我々が野党だった時に、我々が行動を起こす場合と起こさない場合を想定して、気候変動問題がオーストラリアに与える経済的影響を検討するよう彼に指示しました。ガーノー氏から報告書を受け取るのを楽しみにしています。これは独立した報告であり、我々はこれを審議していきます。受け入れる箇所もあれば、拒否する部分も出てくると思われます。しかし全体を丹念に見て検証していくと思います。

ミドルトン: しかしわが国では、もし中国やインドのような国が誠意を持って行動しない場合、あるいは温室効果ガス排出削減に十分な措置を取らない場合の秘策を持っておいた方が良いという考え方もあるように見受けられますが。

首相: 北京やニューデリーの友人に対しては、中国とインドには排出削減を実現するために現在必要な国際協力において真のパートナーであってほしいと率直に伝えています。米国や中国、インドといった国の参加がない限り、量的な観点から見て長期的な効果は見込めません。排出量という点では、数字がすべてを物語ります。

したがって今我々が直面している問題は、米国が参加していないという点です。そして真に国際的な成果を生み出すために、中国やインドなどより多くの国が加わる必要があります。ユドヨノ大統領がバリ島で打ち出したいわゆるバリ・ロードマップは、こうした課題を解決するために、中国やインドと今後2年間にかけて話し合う機会を提供しています。

インドにはまだ機会がありませんが、少なくとも中国の友人に対しては率直に、中国には時間をかけて効力のある国際的な削減目標を受け入れる方向に進んでほしいと伝えています。我々はこれは重要であると思います。そして一方で、中国の途上国としての立場を認めることも重要です。

対中政策・日米豪印対話

ミドルトン: 首相は今週の初めに、中国へのかなり早い時期の訪問を示唆しました。この訪中が、胡錦濤主席が出席の意向を示した今年の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムに重なる可能性はありますか?

首相: 中国には早い時期に行く予定です。時期的な詳細については、今も中国側と調整作業を行っていると思います。胡主席と博鰲であれどこであれ、会える機会を楽しみにしています。

こうした調整については、やがて解決できると思います。重要なのは、現在の関係を新しいレベルにすることです。両国間の経済的機会は大きいものです。両国の資源・エネルギー関係は大規模であり、その長期にわたる中豪の国益について戦略的な対話を行う必要があります。

しかしそれ以上に、もし我々が例えば金融市場や、バイオテクノロジー、より広くはオーストラリアの教育サービスの提供といった分野で中国市場に正規にアクセスできれば、わが国は極めて大きな機会を得られます。サービス市場全体に対して、オーストラリアの企業がよりアクセスできればと強く思っています。また中国政府との政治的関係については、旧友と再会して未来について話し合うのを楽しみにしています。

ミドルトン: ジョン・ハワード前首相が昨年日本との安全保障協力に関する共同宣言に署名する決定をしたのに対し、中国は反発しました。前首相は、この協定は最終的に条約の形を取る可能性があると示唆しました。追加的措置を取らないのは、こうした中国の反応が理由でしょうか?

首相: 日米豪間の3カ国関係に対する私の姿勢は変わっていません。これは最初からそうです。それは、3カ国政府間における現在のレベルの対話と協力を歓迎するというものです。そして将来においてもこの形が最も適切であると考えています。

これを4カ国の枠組みにしインドを加えるという提案がありますが、私はこれは現段階では適切な方向であるとは思わないと率直に言っています。

ミドルトン: どうしてですか?

首相: ニューデリーの友人達も、この考えを歓迎するとは思えません。

ミドルトン: しかしこの考えを孤立化や封じ込めであるとして、とりわけ敵視しているのは中国ですよね。

首相: この問題に関しては、北京にも様々な見方が存在しています。豪中両国のために大きな経済的機会である中国とどう将来の関係を築いていくか、どのように一連の分野で中国と政治的対話をさらに発展させていくか、どのように21世紀に中国と純粋なパートナー関係を築くかを考えるべきであるというのが、私の見方です。気候変動問題での中国との協力や、オーストラリアの実業界にとり大きな機会である中国のサービス市場へのアクセスは、我々にとり大きな課題です。

南太平洋地域を含むより広いアジア太平洋地域で共通の課題のために、中国と共に行動するのも含め、これらは両国の協力を必要とする大きな課題です。しかしインドを含めたある種の4カ国関係により、この点が強化あるいは手助けされるでしょうか?私はそうは思いません。

しかし同時に、インドとの関係拡大に大いに力を注ぐことでこの関係を強化していこうと強く決意しています。過去の多くの政権がこの関係を迅速に強化、拡大しようと試みてきました。過去の政権の行動に特定の非難を行う訳ではありませんが、しかし我々はより上手くこれを行えると思いますし、またそうするよう目指しています。

ミドルトン: 東京では、首相はジョン・ハワードより中国寄りであるという話があります。確かに日本との安全保障協力の共同宣言を条約にはしないという決定や、4カ国対話を中止するという決定をしています。これでは東京側の懸念は収まらないのではありませんか?

首相: 4カ国対話については、どの国もこれを正式に推し進めていないのが現状です。これは中止したとかいう問題ではありません。中止というより、存在しているかどうかの問題です。インド政府もこの枠組みについて積極的な提案をしていませんし、米国政府も日本政府も同様です。検討の対象になった程度です。私は現在の戦略面の状況を考えると、これを進めるのは生産的ではないと強く言っている訳です。

対日政策

日本の友人に関して言えば、日本は長期にわたりオーストラリアのパートナーです。私は世界の他地域に対する関与という点で、日本が行ってきたことに大いに敬意を表します。東アジアの安定でもそうですし、日本の政府開発援助がこの地域内外で途上国を支援してきた点でもそうです。

世界中の多くのプロジェクトで、日本とはパートナー関係にあります。これは大変良好な二国間関係であり、将来もこの関係が拡大していくのが楽しみです。東アジアの外交関係は、ゼロサムゲームではありません。中国と良い関係を築きつつ、日本の友人とも、そしてインドとも大変良い関係を持つことは可能ですし、ある国との関係が他国との関係を打ち消す訳ではありません。そうした考え方は、19世紀のクラウゼヴィッツの思想だと思います。これは私の考え方とは異なります。成熟した国家は21世紀において、このように考えるべきではありません。

ミドルトン: 日本は7月にG8サミットを開催します。福田首相は首相の出席を望んでいると、東京からは伝えられています。首相が出席される可能性はありますか?

首相: 日本はなるべく早い時期に訪問したいと思っており、その方向で東京と話し合いを行っています。実際の段取りについては、担当者に任せています。福田首相とは会うのを楽しみにしています。二国間で日本との間には、自由貿易協定の展望やその交渉、それに関連するセンシティビティー(重要品目)などの課題があります。しかしより広範には、日本の寛大な途上国への援助が開発格差を超えてきた点を考慮し、日本とのパートナー関係を将来どのようにしていくか考えたいと思います。日本の国際貢献を私は強く支持しており、日本の途上国での活動に関して積極的なパートナーでありたいと思います。